福島大学人間発達文化学類准教授
加藤奈保子


 子供の頃から「なんとなくカッコいい」という理由でヨーロッパに憧れを抱き、高校に入って進路を決める際には、語学・歴史・宗教・美術なんでもいいからヨーロッパに関わる勉強をしたいと考えました。実際、大学に入って選んだのが西洋美術史。中学生の頃、ミケランジェロが描いたシスティーナ礼拝堂の天井画をテレビで見て感動したことを思い出し、また、美術を勉強することが「なんとなくカッコいい」というミーハーな理由からでした。ただ、漠然と作品を観ているだけでは、「きれいだな」「すごいな」と思うことはあっても、あまり面白くありません。作品の裏側、つまり当時の社会・文化・思想・宗教との関係を知ることで、理解が深まり、さらに面白くなってきます。結局、高校生の時に考えていたこと=ヨーロッパの様々なことについて勉強したいという希望がかなったのです。美術史はこうした幅広い知的好奇心を満たしてくれる学問だと思います。

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